歯の移植の症例は臨床経験20年程度で、100症例を超えてきました。
主に奥歯(大臼歯)を抜かなければならない状態の時点で、そこを補う治療方法を患者様と私たちスタッフで模索します。親知らずを口腔内にお持ちであれば、再度利用できる場合があります。(抜きにくい親知らずの状態であれば移植が不可能なこともあります)
症例1)32歳 男性 右下の奥歯で噛むと痛い、という訴えで来院。
右下の第2大臼歯は根の周囲の骨が無くなり炎症を起こしている状態で、抜歯せざるを得ない状況でした。同部抜歯直後、すぐ後方の親知らずを第2大臼歯部分に植え直す治療をしました。治療当日は、両歯を針金と接着剤で接続し固定しました。
症例2)24歳 女性 左下の奥歯が腫れているという訴えで来院。
左下の第2大臼歯の奥側には深い虫歯があり、抜歯をしないことには同部の腫れは治らないと診断しました。すぐ後方には第3大臼歯があり、これを再利用することにしました。10年以上経過した現在でも、問題なく噛めているとのことです。
症例3)38歳 女性 左下の奥歯のブリッジ動いて痛いという訴えで来院。
左下の第2大臼歯は根が割れており、抜歯になりました。すぐ後方の第3大臼歯があり、これを第2大臼歯部に移植。さらに元々欠損(抜歯により?)していた第1大臼歯には歯科用インプラントを同時に埋入し、両歯をつないで固定しました。